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有形文化財『花重』150年の歴史を紐解くVol.2

明治7年、谷中墓地の開設と同時期に開業した生花問屋「花重」。
有形文化財に登録された明示棟について、今回もたいとう歴史都市研究会(たい歴)にお話を伺いました。

花重の歴史的建造物

花重の敷地は東西に細長く、調査が始まった2020年当時、敷地内には8棟の建物がありました。正面に構える国登録有形文化財の明治棟、その隣に長屋棟、奥には繋ぎ棟に戦前棟、以上4棟は改修工事を経て再生された建物でした。一方、戦前棟の奥に鉄骨造二階建ての住宅(昭和54年築)、木造二階建ての社員寮(昭和35年築)、倉庫2棟があったが、これらの建物の破損も進んでいたことから、やむを得ず、解体されました。ここからは、各建物について調査で分かったことを紹介します。

明治棟(有形文化財建造物)

正面に構える明治棟は木造2階建で、2階は階高が低いつし二階です。明治10年の建築と伝わりますが、大名が店の前を通るため、敬意を表し、つし二階までしか許されなかったようで、江戸の名残を色濃く残しています。
2階正面の虫籠窓(むしこまど)は、「外からは見えにくく、室内から観察するのにちょうどいい」と明治生まれの祖母が話していたと4代目は仰っていました。切妻造平入の屋根には桟瓦を葺いています。

1階は3.5間(6.4m)の間口いっぱいの土間空間で、花屋の店舗とします。現在は正面に木製のガラス引戸が入りますが、建築当初は上げ下げで開閉する揚戸だったことが、柱に切られた溝や差鴨居の痕跡からわかります。そして地下ストッカーには冷房を入れ、さらに壁面に張られた大谷石は水気を吸いやすいため、ベニヤが貼ってあります。これは3代目が外遊先のアメリカで巨大な地下ストッカーを見たことから、取り入れたと言われています。

明治棟は2階軒を出桁とし、1階正面のの奥行きが深い下屋庇とする点、軒高が低い点など、江戸の町屋の特徴をよく残しています。茶屋とともに、谷中霊園入り口の歴史的景観を伝える重要な存在であることから、2003年に国登録有形文化財に登録されました。

令和4年度に国庫補助事業で、建物の歪み直し、耐震補強などの保存修理工事を行い、現在の花重として生まれ変わりました。

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