台東区の歴史的建造物

台東区界隈には、今でも下町と言われる暮らしの文化が生きています。今回は台東区とその周辺の歴史的な建物や街並み、文化遺産の保全活用を支援する、NPO法人たいとう歴史都市研究会(通称 たい歴)にお話を伺いました。
たい歴について
谷中界隈をはじめ台東区とその周辺の歴史的建物や街並み、文化活動など有形無形の文化遺産の保全活用を支援し、歴史と文化を活かした潤いある都市生活の継続と発展を目指して、2023年に設立した公益的な非営利まちづくり団体です。主な活動は伝統的な建物の維持管理や活用運営、調査研究、交流会などのほか、伝統的建物に関する相談も受け付けています。
たい歴が管理する建物
市田邸

市田邸が所在する上野桜木は、江戸時代より寛永寺子院の境内地でしたが、明治中頃から住宅地として開発され、にほんばしや上野などの実業家や芸術家が居を構えました。市田邸は明治40年ころ、日本橋の布問屋、市田善兵衛氏により隠居宅として建てられました。続き座敷に縁側をまわし、門塀を巡らした庭を構えた明治期の典型的な屋敷型住宅です。戦後は藝大生の下宿を営んでいました。平成12年にたい歴が借り受け、日常の維持管理をする若者が住みながら、芸術文化活動の拠点として活用しています。
カヤバ珈琲

1、2階ともに出桁造りの軒をまわす姿が特徴的な町家型のこの建物は、上野公園から谷中に入るランドマークとなっています。大正5年に建設以降、ミルクホール、かき氷・あんみつ店などを経て、昭和13年に「カヤバ珈琲店」となり、幅広い層に長年親しまれてきました。平成18年にいったん閉店となったものの、この喫茶店に愛着を持つ人々の支援を得て、平成21年にたい歴が借り受け、新しい運営者により復活しました。
旧平櫛田中邸

岡倉天心の薫陶を受け、日本の近代彫刻を開拓した彫刻家 平櫛田中が暮らした、大正8年築のアトリエ付住宅です。安定した自然光を得るため、北向きの天窓を備えました。大正11年には傍らに伝統的日本家屋を建て、家族と共に小平に転居する昭和45年まで暮らしました。現在は故郷の岡山県井原市に寄贈され、平櫛田中の顕彰と新たな芸術文化の発信を願い、たい歴と谷中のお勝手により管理活用を行っています。
※イベント時のみ公開しています。
上野桜木あたり

3棟の住宅と路地で構成される上野桜木あたりは、昭和13年に一括して建設され、当初は各戸の塀で囲まれていました。日本橋浜町で金融を取り扱う塚越商事の本宅および賃貸として使用されていましたが、平成27年に複合施設としてリニューアルしました。木造2階建、寄棟造の桟瓦葺、下見板張りの和風の意匠を備えます。中廊下式で、洋風の板間と和風の座敷を融合させる間取りからは、昭和初期という時代背景が感じられます。
たい歴の活動

調査研究
伝統的な建物や歴史的な町並みの調査研究を行っています。成果は展示会などを通じて地域の方へ発信しています。

上野のお山探訪
「上野のお山」として人々に親しまれてきた上野公園は、もとは寛永寺の広大な境内で、今は美術館や博物館、動物園、不忍池など、自然と文化に恵まれた憩いの場です。専門の方の解説で上野の山を再発見します。(不定期開催)

お道具転生バザー
伝統的な建物の建て替えや改修の際に、廃棄されてしまう古道具をレスキューし、由来を理解していただいたうえで使い続けてくれる方に安価でお譲りしています。(不定期開催)
入会のご案内
台東区にはどこか懐かしい木造の家や路地の落ち着き、向こう三軒両隣でさりげなく助け合う人付き合い、何気ない日常の中でふと大事だなと思えるのは、失われてしまうと取り戻すことは難しいものばかりです。
たい歴では、こうした身近にある暮らしの文化を、人々が豊かに生きる知恵として見直し、未来に活かしていきたいと願っています。活動に協力していただける方の入会・支援を随時募集中です。また以下のようなお悩みごとがあればお気軽にご相談ください!ご連絡は公式ウェブサイトまで。
【会費】
1.正会員(年会費 6,000円) 当会の目的に賛同し活動する個人
2.賛助会員(年会費 一口5,000円) 当会の目的に賛同し賛助する個人及び団体
3.友の会会員(年会費 1,500円) 当会の目的に賛同し、活動・催し等の連絡情報を希望する個人